| |||
(murmur of bum からのつづき) やっと陽射しも強くなってきた6月の昼間、風もなく茹だるような暑いの日の夕暮れせまる千歳川。 愛竿ウェットフライ・ハーディを片手に河辺に立つ。 リーダーの先にはキング オブ ウォータース8番、ドロッパーにはグレートセッジ6番を結び、じっとタイミングを待つ。 回りの景色がシルエットにかわる頃 一斉にセッジ(カワゲラ)が乱舞し始める。 あちらこちらで川面で狂ったように魚達のライズが始まる。 ゆっくりとラインを繰り出し、数回のフォルスキャストの後、対岸へと二つのフライを送り込む。 水面下数インチのところをスゥーっとターンしながら下流を横切ってくる。 数回の当りが・・・やがてセッジの乱舞は終わりその日の釣は終いとなる。 その後フライ人口は増え続け、平日のこの川にも人が溢れかえっている。 いつものようにイブニングライズを待ってたときだった。 後ろからきたベストの後ろにランディングネットを付けたフライマン。 無言で崖♂の横からザブザブと水の中に入って行き。 腰までウェディングしてロッドを振り始めた。 この日以来この川に行くのをやめてしまった。 まさに釣り師のマナーが低下しているとしか思えないこの情景・・・・崖♂の足は釣から遠のいてしまった。 top | |||
愛竿(Rod) フライフィッシングを始めたキッカケは、あるショップの陳列棚。 7フィート5番4本継ぎのグラスファイバー製ロッドとの出会いだった。 このアメリカ製のロッド(竿)ガイドが曲がって付いていたり、グリップのブランクも安っぽいし、お世辞にも出来が良いとは言えないが、中々味がある。 しかもグラスロッドは丈夫で扱いがとても楽なのである。 このロッドを持って公園で毎晩のようにキャスティングの練習をしたものだった。 ショートストロークにダブルフォール、すべてこれが始まりだった。 とはいえ時代はカーボンロッド。 軽くて反発力に優れていると雑誌で読むといても立ってもいられないのが釣り師の浅はかさ..... 少ない小遣いを貯めてやっと手にした憧れのハーディ(英国)のカーボンロッド。 こうなると釣り師の金銭感覚はボロボロになってくる。 ある日T釣具店を覗いてみたら、またしても陳列棚.... ハーディのバンブーロッド。 (六角形に貼りあわせた竹を見るのは小学校時代のスキーのストック以来)当時、ハーディのカタログに載っているバンブーは全部20万円以上! 早速店員さんに出して見せてもらい、その場で内金! だってこのロッド、なんとも10年間この釣具店の倉庫に眠っていたもので、値段も当時のまま8万円。 翌日、現ナマを持って受け取りに行ったのは言うまでもない。 リールは以前からハーディのパーフェクトを使っていたので、このロッドとの相性は抜群だった。 こうして初代グラスロッドは丈夫さゆえ渓流用に、ハーディのカーボンはドライフライ専用にそしてバンブーロッドはウェットフライ用にと使用目的が分かれた。 top | |||
糸巻き( Reel) フライリールなんてただラインを収納するものだと思っていたけど、これが中々奥が深い。 大きな魚を掛けたときはリールでやり取りすることもあるが、キャスティングの時のカウンターバランスの役目もはたしている。 ハーディのカーボンロッドを手にしたときに、一緒に取り寄せたハーディのカタログ。 リールのページを見ていて吸い寄せられたのがパーフェクトリール。 だがこのリールカーボンロッドと合わせるにはチと重い。 ロッドと同様、釣り師の金銭感覚を狂わせた。 デザインは歴史が古く今から100年程前に設計されて販売されていたモノの現代版。 でもやっぱり迫力が違う。 後に手にしたバンブーロッドとの相性も最高である。 こうなったらラインもシルクに!と思っているのだが、殆ど行っていない釣にシルクが必要か? でもいつかは..... top | |||
毛鉤(fly) フライを始めると大体の人が始めるのがフライ タイイング、これも結構嵌まるものだ。 何とかメイフライ(カゲロウ)やセッジ(トビケラ)に似せようと必死に努力するのだが、人間が見るのと魚が見るのでは大違いなんだろう。(魚になった事が無いから解らない......) 初めて巻いたのが“エルクヘア カディス” このフライ簡単に巻けて大宗釣れるそうな... でもちょっとホウキみたいで美しくない。 雑誌などに載っているタイイングコーナーを見ては真似てみるが全然上手くならないのは何故? ゴミのようなフライでフライボックスがイッパイになる。 しかも手持ちのマテリアルが限られているので出来るモノも限られてくる。 当時、流行っていた釣った魚のお腹の中からストマックポンプというもので食べているものを強制的に吸い出し「おいこいつ何喰ってんだ?」と吐出させたモノから餌を推理し、それに似たフライで釣るという(魚にとっては非情に迷惑な話しではないか)殆ど、餌釣りのようなニンフの釣が嫌いだった所為もあって沈めるフライとなるとウェットフライの釣が主だった。 しかも「こんなもの喰ってるから今日はこれ...」というのではなく。 今日はこういう傾向で...ぐらいしか決めていなかった。 ドライフライはスピナーが数種類とスペックルドセッジが主だった。 その後はウェットフライの美しさに魅せられ、ドップリとフライタイイングの世界に嵌まり込んでしまった。 top | |||
英国風 ?! 英国の貴族達が愛したこの毛鉤釣りに敬意をはらって、出来るだけ伝統的なスタイルの釣りをしたいと思ったが、そこは貴族と貧乏人の違い... 崖♂にはハイソな感じはない。 昔、釣り雑誌「Angling 」にG.E.M スキューズの“TUP'S INDISPENSABLE”(抵抗不可)についての記事を読み、英国のフライタイイングの奥深さを思い知らされる。 このフライ、フライタイイング入門書に基本中の基本としてハックルフライのページによく顔をだす。 テールとハックルはクリームのコックハックル、ボディはテイル側にイエローのフロス、ヘッド側にピンクのウールとなっている。 だが本物は、このピンクのウール部分のダビング材に数種類のファーを混ぜ合わせたものを使っているのだという。 僅か全長1cm程のフライの数ミリのボディの材料に..... “TUP'S INDISPENSABLE”の“TUP'S ”とは牡羊のことらしい。 これに使われているファーはこの牡羊の“○玉”の毛のことだそうだ。 G.E.M スキューズの数種類あるダビング材の中の一部分を書きだすと
(画像の袋に入ったフックは今もあるのでしょうか? 崖♂コレクションのSkues Sneck) top | |||
道具(tool) フライタイイング(毛鉤巻き)を始めると多くの道具が必要になってくる。 タイイングするための道具に関して安易に安物を買うのは銭失いとなるのが身にしみた。 最初に購入した“インド製”の安物セットはバイスのジョー(鉤を挟むところ)が柔らかく捲れてきた。 今、このセットの道具で残っているのはボビンホルダーとハックルプライヤーだけとなり、このセットの殆どがゴミと化したのだ。 まぁ贅沢言わなければこれで良いとは思うけど。
top | |||
材料(material) フライには様々なマテリアルが必要になる。 主に鳥の羽・獣毛・植物・金属・ナイロンやテトロン・プラスチック・ビニールなどの石油製品がある。 最近ではフライのウィングに使うプラスチック製品があったりして。 自然保護を訴える釣り師の皆さんはこれをどう考える? 鳥の羽や獣毛を使う釣り師の皆さん動物愛護をどう考える? 崖♂ですか? う〜ん難しいなぁ....
鹿などの獣毛を使ったフライはあまり好きではない。 殆どは鳥の羽や羽毛を使っている。 只、ボディのダビングに若干兎や土竜・海豹などの毛を使う程度かな・・・ 雉 (Pheasant) 雉は雄(cock) ・雌(hen)共によく使う。 現在このハックルはドライフライでは羽根の裏が前を向くように巻かれるが、崖♂は表が前を向くように巻くようにしている。 でも浮きは現在の巻き方の方が良く浮いてくれる気がしないでもない。 へんネック(雌鳥)のネックケープも数は少ないが一応持っている。 へんネックは柔らかいのでウェットフライのハックルやドライのウィング材などとして使用している。 こうして並んだハックルは全て10年程前に購入したもの。 今はかなり変わってしまったんだろうなぁ〜 top | |||
続く...... |